「なぜ、立ち仕事は痩せられないの?」
「立ち仕事で痩せるには、どうすればいい?」
といった悩みを抱えている方も多いことでしょう。仕事をしながら体重まで落とせると一石二鳥ですよね。
結論から言うと、立ち仕事で痩せられない理由は、運動に比べて消費カロリーが少ないこと。
この記事では、立ち仕事の消費カロリーの計算方法を解説。さらに、立ち仕事で痩せるのが難しい理由をお伝えします。
そして、難しいながらも立ち仕事でダイエットをするための方法もご紹介しますので、立ち仕事で痩せたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
ここでは、METsから立ち仕事の消費カロリーを計算して、痩せない理由を解説します。
METsとは、横になったり座ったりなど安静時の状態を1としたときに、その何倍のカロリーを消費するかを示す値です。
そのため、METsが大きいほど、消費カロリーが大きいことになります。つまり、立ち仕事のMETsさえ分かれば、どれくらいのダイエット効果があるのかもわかるというわけです。
そこで、立ちっぱなしと簡単な立ち仕事、それぞれのMETsより消費カロリーを計算してみます。
(参考:健康づくりのための運動指針2006~生活習慣予防のために~|厚生労働省)
たとえば、60kgの人が1時間、ただ立ちっぱなしの状態で消費できるカロリーは次のようになります。
白米ごはんの普通盛りのカロリーは、235kcalだと言われています。そのため、60kgの人が1時間立ちっぱなしだったとしても、普通盛りごはんの摂取カロリーの3分の1にも届かないことになります。
この結果から、立ち姿勢では、思ったよりもカロリーを消費できないことがわかります。
(参考:改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』|国立健康・栄養研究所)
前項の消費カロリーの計算式に当てはめてみると、60kgの人が立ち作業を1時間続けた場合は189kcalを消費します。つまり、簡単な立ち仕事を1時間続けた場合でも、ごはんの普通盛り235kcalには届かないことになるのです。
また上表のとおり、立ち仕事は軽めの運動である散歩よりも運動量が少なく、カロリーを消費しないことが分かります。自転車やランニングと比べても、METsはかなり低いです。
まとめると、立ち仕事は、運動時のカロリー消費には及ばないことになります。
(参考:摂取カロリー早見表|カロリズム TANITA)
つまり、5時間以上立ち仕事を続けたとしても、意外とすぐに消費カロリーを摂取カロリーがオーバーしてしまいます。間食も要注意です。
繰り返しになりますが、消費しきれずに余った摂取カロリーは、脂肪として蓄えられます。ようするに、立ち仕事では痩せられないのです。
これまでの内容を見ると、立ち仕事だけで痩せることは難しいことが分かります。
しかも、実は立ち仕事で痩せることはリスクもあります。
次に、立ち仕事ダイエットのリスクを解説します。
結論から言うと、立ち仕事は脚のむくみや肩こり・腰痛、基礎代謝の低下を招く恐れがあります。どれもダイエットにはマイナス要因。それぞれ、詳しくみていきましょう。
(参考:加齢とエネルギーの代謝|e-ヘルスネット 厚生労働省)
上記の表から骨格筋の基礎代謝の割合は21%で、肝臓や脳と並び基礎代謝に占める割合は大きいです。なお、つまり筋肉量を増やすことが基礎代謝の向上につながるのです。
なお、基礎代謝はこちらより計算できるので、ぜひご自身の基礎代謝を計算してみてくださいね。
ここでは立ち仕事の範囲内で、トレーニングをしたり食事制限をしたりして痩せる方法について解説します。立ち仕事の中で工夫をして、痩せられるようにしてみてください。
パーソナルジムは、身体の仕組みを知り尽くしたダイエットの専門家が、効率的に痩せるためのトレーニング法を個別にアドバイスしてくれる施設です。
個別に指導を受けられるため、目的や気になる部位、運動レベルに応じて無理のないトレーニングを実践できます。
また、パーソナルジムでは食事管理をしてくれるのも魅力。食事制限をする場合、PFCバランスなどの身体に必要な栄養素の割合を管理することが大切です。栄養の割合を無視すると、不健康な食生活になってしまい、体調を崩す可能性もあります。
パーソナルトレーニングでは、栄養管理も行き届いた食事のアドバイスをしてもらえるため、健康的に痩せられるでしょう。
立ち仕事が痩せないのはなぜ?METsとカロリー計算から解説

立ちっぱなしは消費カロリーが低い
まずは、単に立ちっぱなしの状態では、どれくらいカロリーを消費するのかを見ていきましょう。立ちっぱなしでも座った状態よりも1.2倍程度の消費カロリー
立ちっぱなしの状態だと、下記の表に示すように座った状態の1.2倍の運動量しかありません。つまり、消費カロリーも座った状態の1.2倍しかないことになります。動作内容 | METs |
---|---|
静かに座る | 1 |
静かに立つ | 1.2 |
座って本を読む | 1.3 |
座って会話をする | 1.5 |
立って会話をする | 1.8 |
立って本を読む | 1.8 |
1時間で75kcalほどしか消費しない
METsだけでは分かりづらいため、消費カロリーを計算してみましょう。消費カロリーを計算するには、次の計算を行います。METs×体重(kg)×時間(h)×
1.05=消費カロリー(kcal)
1.2×60×1×
1.05=
75.6kcal
立ち仕事の消費カロリーでは、運動にならない
次に、簡単な立ち仕事の消費カロリーを見ていきましょう。同じくMETsを用いて計算していきます。 立ち仕事と運動のMETsの比較は、次の通りです。仕事内容 | 詳細 | METs |
---|---|---|
立ち仕事 | バーテンダー、商店の販売員、組立作業、書類整理、コピーをとる | 3 |
散歩 | 何も持たずに歩く | 3.5 |
自転車に乗る | レジャーや通勤、娯楽程度 | 4 |
ランニング | 6.4km/時(ゆっくりした軽めのランニング) | 7 |
立ち仕事では、摂取カロリーを消費しきれない
前述のとおり、立ち仕事の消費カロリーは少ないため、食べた分を消費しきれません。余ったカロリーは脂肪として蓄積されるため、立ち仕事だけでは痩せられないというわけです。この点について具体的な例を用いて解説します。普段の食事のカロリー
たとえば、普段の食事のカロリーは以下のとおりです。食事タイプ | 具体的な食事内容 | 摂取カロリー |
---|---|---|
普通盛りごはん | – | 235kcal |
大盛ご飯 | – | 403kcal |
丼もの | カツ丼、親子丼、牛丼、ネギトロ丼 | 700~900kcal |
定食 | 生姜焼き、サバのみそ煮、鶏の照り焼き | 600~800kcal |
ラーメン | 味噌ラーメン、塩ラーメン、チャーシューメン | 400~600kcal |
パスタ | ミートソース、和風ツナ、カルボナーラ | 500~800kcal |
ケーキ | チーズケーキ、チョコケーキ、ショートケーキ | 200~400kcal |
長時間立ち仕事をした場合の消費カロリー
一方、長時間立ち仕事を続けた場合の消費カロリーは、以下のとおりです。前述の計算式を用いて算出しています。体重 | 1時間の消費カロリー(kcal) | 2時間の消費カロリー(kcal) | 5時間の消費カロリー(kcal) | 8時間の消費カロリー(kcal) |
---|---|---|---|---|
50kg | 158 | 315 | 788 | 1260 |
60kg | 189 | 378 | 945 | 1512 |
70kg | 221 | 441 | 1103 | 1764 |
80kg | 252 | 504 | 1260 | 2016 |
90kg | 284 | 567 | 1418 | 2268 |
100kg | 315 | 630 | 1575 | 2520 |
立ち仕事ダイエットのリスクやデメリット

むくみで脚が太くなる
立ち仕事や座り仕事を長時間続けると、むくみで足が太くなることがあります。 たとえば、むくみでふくらはぎがパンパンに膨らんで、冬場にはブーツが入らなくなったという経験をしたことはないでしょうか。 ボディラインを整えることが目的のダイエットにとって、脚が太くなってしまうのは、大きなデメリットと言えるでしょう。肩こりや腰痛になる
立ち姿勢が悪いと、肩こりや腰痛になるリスクがあります。さらに、肩こりや腰痛で、運動ができなくなり、ダイエット成功への道が遠のいてしまうことも。 悪い立ち姿勢とは、反り腰やストレートバック、猫背の状態です。たとえば、反り腰やストレートバックは、腰の負担や変形による腰痛を発症することがあります。 また、猫背は肩こりや首こり、頭痛の原因になるため注意が必要です。正しい姿勢で立つための方法については、次の記事で詳しく解説しますので参考にしてください。基礎代謝が落ちる
立ち仕事だけでダイエットを続けた場合、基礎代謝が落ちる可能性があります。なぜなら簡単な立ち仕事をしても、筋肉にかかる負荷が小さいため、筋肉量はアップしづらいからです。基礎代謝とは
基礎代謝は、内臓や骨格筋、脳といった各臓器が何もしない状態でも消費するエネルギー。各器官や臓器ごとの基礎代謝の消費割合は次の通りです。組織や臓器 | 基礎代謝に占める比率 |
---|---|
骨格筋 | 22% |
肝臓 | 21% |
脳 | 20% |
その他 | 16% |
心臓 | 9% |
腎臓 | 8% |
脂肪組織 | 4% |
立ち仕事程度の負荷では筋肉量は増えない
立ち仕事では、姿勢を支えるために筋肉が活動するのですが、その程度の負荷では筋肉量を増やせません。また、年齢とともに筋力は減るともいわれているため、筋トレで鍛えておかないと、徐々に筋肉量が減って代謝が落ちる可能性があります。 とはいえ、仕事が忙しい場合はトレーニングの時間を確保する余裕がないため、立ち仕事中にできるトレーニングで痩せたいところ。そこで次に、立ち仕事中に実践可能なおすすめのトレーニングをご紹介します。立ち仕事の範囲内で痩せたいなら

まずは身体の状態をチェック
長期的に立ち仕事を続けて肩こりや腰痛を感じている場合、すでに身体に支障が出ている可能性があります。そのため、まずは姿勢やトレーニングに詳しい専門家にみてもらう方がよいでしょう。 姿勢のチェックを自分で行う方法はあるのですが、それだけではどの部分が原因で、姿勢が悪くなっているのかが分からないことがあります。 そこで、骨盤の傾きや背骨の弯曲を専門家に見てもらい、適切なアドバイスをもらうことをおすすめします。 身体の状態をチェックしてもらったら、立ちながらできるトレーニングで筋肉量を増やし、基礎代謝を増加させましょう。立ちながらできるトレーニング
ここでは、立ちながらできるトレーニングを3つご紹介。仕事の合間や休憩中に実践すると、消費カロリーをアップして痩せやすくなるでしょう。立ち腹筋
立ち腹筋は、立ち仕事中に場所を選ばずにすぐにできるメリットがあります。一般的な腹筋トレーニングだと腰を痛めるリスクを伴いますが、立ち腹筋だと腰を痛めにくいのも魅力です。 腹斜筋や腹直筋、腹横筋といった筋肉を鍛えると腹部を絞れるため、お腹周りのボディラインを整えたい人にはおすすめです。 やり方は数種類ありますので、以下の記事でチェックしてみてください。スクワット
スクワットも立った状態で、できるトレーニングとして人気があります。その理由は、下半身の大きな筋肉を鍛えるため、基礎代謝を上げられるからです。 また、スクワットの運動量は5METsとされており、重いものを運ぶような労働時の運動量に匹敵すると言われています。立ちごとの休憩時の気分転換として、スクワットを取り入れてみてはいかがでしょうか。 以下の記事にダイエット効果を高めるためのスクワット方法を解説していますので、参考にしてください。つま先出ち
つま先立ちの魅力は、立ち仕事の合間にこまめにできることです。また、小さな動作でトレーニングができるため、周りの目を気にする必要がありません。 さらに、つま先立ちは、ふくらはぎのむくみ解消にもおすすめです。脚にむくみが起きるのは、ふくらはぎの筋力不足だとも言われています。 以下におすすめのトレーニング動画をご紹介しますので、立ち仕事の合間に、つま先立ちになって美脚を目指してみてください。食事制限
ダイエットのために食事制限をする場合は、摂取カロリーが消費カロリーを超えないように、アプリなどで管理するとよいでしょう。 また、最近は食品の栄養成分表示にも、エネルギーが記載されることが多くなりましたので、商品のパッケージを確認すると摂取カロリーを把握できます。消費カロリーについては、本記事の前半で紹介したMETsを使って消費カロリーの計算をしてみてください。 ここまで解説したように、立ち仕事を前提に、工夫しながらでもダイエットは可能です。しかし、立ち仕事がベースだと痩せにくいという事実は変わりません。 そこで、確実に痩せたい場合は、パーソナルジムでダイエットに効果的なトレーニングを実践するのもおすすめです。本格的に痩せないならパーソナルジムへ

まとめ
立ち仕事で痩せられないのは、活動量が低く、消費されるカロリーが少ないからです。とはいえ、立ち仕事の合間にできるトレーニングを実践したり、食事制限をしたりなどして工夫をすると、ダイエットは可能です。 立ち仕事以外で、効率的に痩せたい場合は、パーソナルトレーニングジムで期間を決めてしっかりダイエットに取り組むのもおすすめです。ダイエットの専門家が、トレーニングや食事についてしっかりアドバイスしてくれるため、高確率で健康的に痩せられます。 立ち仕事で、なかなか痩せられずに困っている場合は、パーソナルトレーニングをお試しください。
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