「隠れ肥満」という言葉を聞いたことがありますか?
「細く見えるけど、実は太ってるんだよね」と笑ってごまかす方もいますが、隠れ肥満は笑えない状態。しかも簡単には痩せず思いもしなかったリスクも。そのため、早めの対策が肝心です。
この記事では、生活習慣病に詳しい管理栄養士が隠れ肥満について解説します。
隠れ肥満の原因やリスク、対策方法などを分かりやすく説明しているので、悩んでいる女性は必見です。
隠れ肥満は女性に多く、とくに食事制限を行ってダイエットに励んでいる方でみられる状態です。普通の肥満との違いは、体重と体脂肪のバランスにあります。
以下をご覧ください。
体重の値は普通なのに脂肪の量は肥満レベル。つまり、見た目では分からないけれど、体の中に脂肪がたっぷり隠れている状態を隠れ肥満といいます。
隠れ肥満かどうかは体重だけでなく体脂肪率の値によって判断しましょう。
「私も隠れ肥満なのかな…」と不安な方は、ご自身の隠れ肥満度をチェックしてみましょう。隠れ肥満かどうかは、BMIと体脂肪率で判断できます。
まず、BMIを計算します。
例としてA子さん:身長160㎝・体重55kgで計算します。上記に当てはめると、55÷(1.6×1.6)=21.5となり、BMIは21.5です。
BMIによる肥満度の判定は以下の通りです。
参考:日本肥満学会
表を参考にすると、BMI21.5のA子さんは「普通体型」であるとわかります。
次にあなたの体脂肪率を計ります。ご自宅の体重計で機能がある方は一度計測してみましょう。
体脂肪率の判定は以下を参考にします。
参考:オムロン株式会社
A子さんは体脂肪率を計ったところ30%でした。つまり「軽度肥満」ということになります。
BMIでは正常だったけれど体脂肪率では軽度肥満だったので、A子さんは「軽度の隠れ肥満」だということが分かりました。あなたの隠れ肥満度も計算できましたか?
A子さんのような隠れ肥満は、なぜ起こってしまうのでしょうか?
隠れ肥満の原因としては次の3つが考えられます。
順に解説していくので、参考にしてください。
隠れ肥満のリスクを3つ紹介します。
少し怖い病気も紹介しますが、参考程度に読んでみてください。
隠れ肥満の改善方法は食事と運動です。
運動・食事・間食に分けて、くわしい内容を確認してみましょう。
ここでは隠れ肥満を解消すべく、おすすめの食事メニューと筋トレ、それぞれの具体例を解説します。
とくにダイエッターに人気なのが脂肪燃焼スープ。気になる方は、【管理栄養士考案】脂肪燃焼スープでダイエット!驚きの効果と成功の秘訣とはもご覧ください。
隠れ肥満について、とくに注目したい改善方法について再度復習していきましょう。
隠れ肥満は疾患になるリスクが高い状態です。若い頃は何もなくとも、年齢を重ねたときに「転びやすい」「体を動かすのが億劫に感じる」などの支障もきたしやすくなります。
隠れ肥満を改善するためには運動と食事が大切。体がよろこぶ食事を食べ、体を支える筋肉は運動で維持しましょう。
女性に多い「隠れ肥満」とは

- 肥満者
- 体重も体脂肪も肥満レベル
- 隠れ肥満者
- 体重は正常だが体脂肪は肥満レベル
あなたの隠れ肥満度は?

- BMI = 体重(kg) ÷ { 身長(m) × 身長(m) }
BMI(kg/m²) | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重 |
18.5以上25未満 | 普通体重 |
25以上30未満 | 肥満1度 |
30以上35未満 | 肥満2度 |
35以上40未満 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |
軽度肥満 | 中等度肥満 | 重度肥満 | |
---|---|---|---|
男性 | 20%以上 | 25%以上 | 30%以上 |
女性 | 30%以上 | 35%以上 | 40%以上 |
隠れ肥満が痩せない原因

- 食事制限メインのダイエット
- 運動不足
- 栄養バランスの不良
食事制限メインのダイエット
食事制限だけでダイエットを成功させた方は、隠れ肥満の傾向が強くなります。摂取カロリーを減らすだけでは筋肉量も落ちてしまうからです。 脂肪・筋肉ともに減るので、筋肉を維持しながらダイエットする場合よりも体重は大きく減ります。しかし減った体重に対する脂肪の割合が少ないため、体脂肪はそこまで変化がありません。その結果、体重の割に体脂肪の多い体、つまり隠れ肥満の体になっていくのです。運動不足
運動不足の方も隠れ肥満になる傾向があります。運動不足は筋肉が減りやすいからです。 筋肉は細かい繊維でできていて、収縮を繰り返すことで作られます。そのため、収縮しない、つまり運動しないと新しく筋肉を作る量が減ってしまうのです。 一週間入院しただけでも足がほっそりするのがその一例。歩く・走る・持つなど、日常的に動かすことで筋肉量は維持できます。栄養バランスの不良
栄養バランスの不良も隠れ肥満を招く原因になります。エネルギーの制限ばかりに気が向いてしまい、たんぱく質不足・糖質メインの方に方に多くみられるようです。 例えば、同じ700kcalでも「脂質や糖質ばかりのカレーライス」と「脂質・糖質・たんぱく質のバランスが良い和定食」ではどうでしょうか?前者だとたんぱく質が不足してしまい、筋肉をつくる材料がありません。 カロリーだけでなく栄養バランスの調整も大切なポイントなのです。 ここまで読んで「見た目細いし別にいいじゃん…隠れ肥満の何がだめなの?」と思っている方もいるでしょう。実は隠れ肥満はとても怖い状態なのです。あなたが知らないリスクをお伝えします。あなたが知らない隠れ肥満の3大リスク

- 筋力の低下
- 動脈硬化疾患のリスクが増える
- 糖尿病になりやすい
1.筋力の低下
隠れ肥満の方は筋力が低下しているケースがあります。見た目は普通なのに体脂肪率が高いということは、それだけ筋肉の占める割合が少ないということです。 あなたは、立ったまま靴下や靴を履けますか? 1分以上片足立ちができますか? 試してみて難しいと感じれば、筋力が低下している可能性があります。2.動脈硬化疾患のリスクが増える
隠れ肥満の場合、動脈硬化疾患のリスクも増えます。 動脈硬化疾患については、日本動脈硬化学会から引用した下記をご覧ください。全身に栄養分や酸素を行き渡らせる動脈には、心臓の収縮に伴う圧力に耐えるため動脈壁(内膜・中膜・外膜)が存在します。エネルギー源としての脂質や構成要素としてのコレステロールはこの内膜を通過して取り込まれますが、変性したり溢れたコレステロールが内膜の下へ蓄積した状態が動脈硬化であり、その部分をプラーク(粥状動脈硬化巣)と呼びます。引用:日本動脈硬化学会 つまり動脈硬化とは、過剰なコレステロールが動脈に溜まり、血液が上手に流れていない状態。 隠れ肥満の方は栄養バランスの不良や運動不足から、コレステロールが蓄積しやすくなります。事実、見た目が痩せていてもコレステロールが多い人はとても多いです。
3.糖尿病になりやすい
隠れ肥満の方は糖尿病になりやすいと言われています。 サルコペニア肥満は隠れ肥満のことです。通常の肥満者よりも隠れ肥満者の方が糖尿病になりやすいことがわかります。 では、どのようにして隠れ肥満を改善すれば良いのでしょうか?隠れ肥満の改善方法は食事×運動

運動
隠れ肥満を改善するため、まず運動をしてみましょう。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を始めるのはもちろん良いですが、自宅で取り組めるストレッチや踏み台昇降などでも大丈夫です。 できることからで良いので、筋肉を動かすことを意識してみてください。使っていない筋肉を伸ばしてあげましょう。バランスの良い食事を意識する
バランスの良い食事をとり、いろいろな栄養素を体に補うことも大切です。脂肪になりやすい脂質や糖質は適量に控え、筋肉のもとになるたんぱく質をしっかり食べられる食事をおすすめします。 ただ糖質・脂質・たんぱく質を体の中で利用するためには、ビタミンやミネラルなども欠かせません。必要な栄養素をきちんと体で利用できるような食事をとるようにしましょう。 ダイエット中の食事についてはこちらの記事をご覧ください。間食を見直す
隠れ肥満の方は間食でエネルギーを摂り過ぎていることが多いです。どんなものを食べているのか一度見直してみましょう。 例えば、- ケーキなどの洋菓子
- 大福などの和菓子
- チーズ
- ナッツ
- ドライフルーツ
隠れ肥満の改善には食事メニューと筋トレ

食事メニュー
食事メニューは2つ紹介します。1.具沢山のスープ
とにかくたくさんの具材を一緒に煮込むだけの具沢山スープがおすすめ。不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維を補えるほか、お腹も満足しやすいので、ダイエット中の食べ過ぎ対策とも相性抜群です。 おすすめの具材は以下に紹介しておきます。- 大豆製品
- 緑黄色野菜
- こんにゃく類
2.おかずサラダ
サラダをメインにするおかずサラダもおすすめです。とくに「家族と食事を作り分けるのは手間」「ダイエット中もがっつり食べたい」という方にピッタリ。 サニーレタスやブロッコリーなど緑黄色野菜のサラダに、おかずをたっぷり乗せて食べるだけ。野菜をたっぷり食べる代わりに、白ご飯の量を控えて体脂肪カットを狙います。 家族と作り分ける必要もありませんし、主食のご飯を食べなくても満足できるので、続けやすいです。筋トレ
つづいておすすめの筋トレも2つ紹介します。1.スクワット
スクワットはもっとも大きな太ももとお尻の筋肉を鍛えられます。継続することで筋肉量が増えれば、代謝も上がって太りにくい体を手に入れられるでしょう。 スクワットの正しいフォームについては、こちらの動画が参考になります。2.クランチ(腹筋)
年齢関係なく挑戦しやすいのがクランチ(腹筋)です。お腹に広がる複数の筋肉をまんべんなく鍛えられるよう、いろいろなクランチを継続するのがおすすめ。 具体的なクランチのやり方は、以下の動画が分かりやすいです。まとめ

- 隠れ肥満は体重の割に体脂肪率が高い
- 隠れ肥満は放置するとリスクがある
- 隠れ肥満を改善するなら食事×運動

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