2025.5.19

生理中の筋トレは効果ある?トレーナーが成功の秘訣を解説

月に1回来る生理。運動する際には、不快だったり、面倒だったりするもの。 ですが、正常に生理が来るのはホルモンのコントロールがうまくできている証拠です。とはいえ、生理周期を通してホルモンのバランスは大きな変化があり、同時に気分や体調が不安定になることも。 実際、ホルモンバランスが変化する中で、生理中の筋トレは効果があるのでしょうか。 そこで、今回は生理周期からみた筋トレに効果的なタイミングを解説します。また、生理中でも取り入れやすい運動も最後にご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

生理中の筋トレは効果ある?筋トレにおすすめのタイミングとは

結論から言うと、生理中でも効果はあります。 では、詳しく筋トレにおすすめのタイミングを生理周期から確認していきましょう。 生理周期は、大きく分けると卵胞期と黄体期の2つに分けられます。 参考:早稲田大学 女性アスリートのコンディショニングと栄養 さらに卵胞期の生理期間を月経期、排卵前後を排卵期として呼ばれることもあります。 実際、卵胞期と黄体期のどのタイミングで筋トレをするのが効果的かは、まだはっきりとした研究結果が出ていないのが現状です。 ですが、最も筋力を発揮しやすいのは排卵期であるという研究結果や、トレーニングの種類によっては黄体期に筋肥大が見られたという報告もあります。 このことから、体調が悪くない限りはどのタイミングで筋トレをしても効果に大きな変わりはないと言えるでしょう。 ただ、生理後半から排卵までは心も身体も安定する時期のため、ダイエットには最適とされています。よって、筋トレのピークはこの時期に持ってくると良いです。 とはいえ、体内ではホルモンバランスが大きく変化しています。次に、生理中の筋トレで気をつけるポイントをご紹介します。

生理中の筋トレで気をつけるポイント

生理中の筋トレで気をつけるポイントは以下のとおりです。
  • 貧血になりやすい
  • 集中力が低下しやすい
  • 骨盤が緩みやすい
詳しくみていきましょう。

貧血になりやすい

生理中は経血と一緒に鉄分が外に排出され、鉄欠乏性貧血になることも。 鉄分が不足すると体内に酸素を運ぶ役目をするヘモグロビンが作られなくなるため、全身の酸素不足が起こります。 それにより出てくる症状としては下記の通り。
・全身の倦怠感
・めまい
・動悸
・息切れ
・耳鳴り
また、肩こりやイライラ感など一見、貧血の症状とわからないような症状もみられます。 このような貧血の症状が出やすい方は、筋トレを控えた方が良いでしょう。

集中力が低下しやすい

生理前や生理中は下腹部痛や頭痛などの生理痛が出やすい時期なので、その時は無理せずに休みましょう。 痛みを我慢しながらのトレーニングでは正しいフォームが取れませんし、貧血による酸素不足の状態では集中力も低下します。無理に続けてしまうと怪我のリスクを高め、かえって逆効果になることも。 体調に合わせた運動が、最終的に筋トレ効果を高めます。

骨盤が緩みやすい

黄体期から生理開始2〜3日後はプロゲステロンの影響で骨盤が緩みやすくなります。 生理周期における骨盤の状態は下図の通りです。 参照:panasonic 骨盤が緩むと、身体に力が入りにくくなります。特に骨盤を安定させる体幹に力が入りにくくなると腰などを痛めるリスクも。 この時期のトレーニングでは、しっかりとお腹に力が入っているか確認しながら行うことが大切です。 体幹が入りにくいと感じたら、いつもより負荷を下げたり、小さな動きのトレーニングメニューに変えて怪我を予防しましょう。 このように生理中の筋トレは、貧血や生理痛、骨盤の緩みなどに注意が必要です。 続いては、生理中に筋トレをするメリットを解説します。

生理中に筋トレをするメリット

メリットは以下の3つです。
  • ストレス解消
  • 血流改善
  • 腰痛改善

ストレス解消

ひとつめのメリットはストレス解消です。 筋トレをすることで、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが増加します。 生理中はイライラしたり、憂鬱な気分になったりする方も多いのではないでしょうか。これはエストロゲンプロゲステロンの分泌バランスが崩れによって、自律神経が乱れるためです。 この時期に運動をすると脳内にセロトニンという神経伝達物質が増え、気分が落ち着いたり、爽やかな気分になったりしてストレス解消につながります。 したがって、生理中に筋トレすることはストレス解消に効果的なのです。

血流改善

運動をして筋肉を動かすことによって、血液の循環が良くなります。 生理中はプロスタグランジンというホルモンの影響により子宮への血流が減少したり、骨盤周りの血流が悪くなったりします。 そうなると首こりや肩こり、頭痛といった症状が現れる場合も。筋トレで血流を改善すれば、こういった症状を緩和できることもあります。

腰痛の改善

先ほども触れましたが、生理前から生理開始2〜3日後はプロゲステロンの影響で骨盤が緩み、腰痛につながる恐れがります。 しかし筋トレで体幹筋の収縮を促すことで骨盤が安定し、それによって腰痛の改善が期待できるでしょう。 以上のとおり、生理中の筋トレには様々なメリットがあります。メリットが分かればあとは実践あるのみ。 続けて具体的なメニューについてみていきましょう。

生理中でも取り入れやすい筋トレ&運動

生理中は体調の変化があるため、無理せずその日の体調に合った運動を選択しましょう。

ヨガ

ヨガはゆっくりとしたペースでできるので、どの時期でも取り入れやすい運動です。 繰り返しになりますが生理中はホルモンの影響で骨盤が緩みやすくなります。さらに生理痛でお腹に力が入りにくいことも。 すると身体の土台である骨盤が不安定な状態になります。それにより色んな筋肉が必要以上に緊張し凝り固まってしまうのです。 そんなときにヨガを取り入れると、柔軟性や血液循環が改善され、筋肉の緊張を緩和できます。 また、パワーヨガなど強度を上げれば筋トレにもなりますので、体調に合わせて強度を調整していきましょう。 ヨガをする時におすすめの動画を2つご紹介します。

身体を楽にするヨガ

https://youtube.com/watch?v=-Y-A4k3q5i4&feature=share&si=EMSIkaIECMiOmarE6JChQQ 座ったままできるヨガなので生理中でも不快感が少なくできるのでおすすめです。 後半の四つ這いのポーズは体幹トレーニングのベースになりますので、できる範囲で取り入れて行きましょう。

パワーヨガで筋力アップ

&t=184s 生理痛なども落ち着いて身体が動かせるようなら、パワーヨガにチャレンジしてみましょう。 しなやかな柔軟性と筋トレ効果が期待できます。

プランク

プランクでの体幹トレーニングは緩くなっている骨盤を安定させるのにおすすめのトレーニングです。 起き上がる腹筋とは違い、お腹に強い圧をかけずに筋トレができるため生理中の身体への負担が少ないのもポイント。 <やり方>
①うつ伏せの状態で肩の下に肘をつきます。
②膝をついて身体をまっすぐにします。
③背中を少し丸めるようにお腹に力を入れて、膝を床から離します。
お腹に力が入りにくい時は四つ這いやStep2の膝を床についた状態にして負荷を軽くして行いましょう。 身体のコンディションによって体幹の力の入り方が変わります。その日の調子に合わせて、無理にレベルを上げず、一番お腹に力が入るレベルで行いましょう。

ウォーキング

ウォーキングは全身の血流を改善するのにおすすめです。屋外のウォーキングであれば、日光浴よって気分を安定させるセロトニンも増えますよ。 また、ウォーキングは歩き方の意識を変えるだけで脚やせにもなります。 歩くとき、どうしても足を前に出すことに意識を向けがちです。そうすると太ももの前の筋肉をたくさん使ってしまうため脚が太く見えてしまいます。 脚やせできる歩き方は、足を出来るだけ身体よりも後ろに残して歩くこと。そうすることでお尻の筋肉が使われて脚やせやヒップアップにつながります。 詳しい歩き方の動画はこちらです。
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生理中に気をつけたい食事

生理中は生理痛、貧血、身体の冷えなどに悩まされる方も多いと思います。このような問題を抱えているとなかなか筋トレの効果も発揮できません。 これらの症状を改善する食材を日常的に摂ることで、内側から身体を整えて行きましょう。

生理痛を抑えるマグネシウム

生理痛は子宮が強く収縮することで引き起こされます。筋肉を収縮させるのはカルシウムですが、それを過剰収縮させないように調整するのがマグネシウムの役割。 マグネシウムが不足すると子宮が過剰に収縮して生理痛となってしまうのです。カルシウムとマグネシウムの理想のバランスは「2:1」。 マグネシウムを多く含む食材は下記の通りです。
・納豆
・豆腐
・ひじき
・ごま
・ほうれん草
生理痛がひどい方はこれらを積極的に摂るように心がけてみましょう。

貧血を予防する鉄分

生理中は経血と一緒に鉄分が体外へ排出されてしまうため、貧血になりやすいです。それを予防するためには鉄分を積極的に取り入れたいところ。鉄分を多く含む食材はこちらです。
・レバー
・ほうれん草
・小松菜
・ひじき
・納豆
ほうれん草、ひじき、納豆は生理痛を緩和するマグネシウムも含んでいるので日常的に取り入れておきたいですね。

身体を温める食材

生理中は血液の循環が悪く、体が冷えやすくなっています。食材の中にも身体を温める食材と冷やす食材があるため、しっかり見極めて取り入れて行きましょう。 身体を温める食材はこちらです。
・ニンジン
・カボチャ
・タマネギ
・小松菜
・生姜
基本的に土の中で育ったものは身体を温める効果があると言われています。また、発酵食品なども身体を温める効果があるため、納豆や味噌なども良いでしょう。 納豆はマグネシウムや鉄分を含み、且つ身体を温める食材でもあります。また、筋肉のもととなるタンパク質も含んでいるため筋トレにも効果的です。

まとめ

生理周期のどのタイミングで筋トレをするのが効果的かはまだ明らかにされていないのが現状です。逆に言えば、生理中でも体調に合わせて運動することで筋トレ効果やストレス解消、生理痛の改善が期待できると考えられます。 生理中は貧血や体幹筋の入りにくさによる怪我のリスクがあるため注意しながら行いましょう。 また生理中の体調を整え、筋トレの効果を高めるためには生理中だけでなく日頃から食べる食材を意識することがポイントです。今回ご紹介した食材を積極的に摂取して、生理中でも無理なく安全に筋トレをして行きましょう。