2025.5.19

5分でわかる!2ヶ月で10キロ痩せる方法と注意点【プロが解説】

2ヶ月で体重・体脂肪を10キロ落としたい」 そう思う方は少なからずいるのではないでしょうか。できるなら、短期間で理想の体を手に入れたいですよね。 無理難題なダイエットにも思えますが、人によっては達成可能な数字です。 この記事では、2ヶ月で10キロのダイエットを成功させる方法と注意点を解説します。

食事制限なしで2ヶ月で10キロ痩せることは難しい

2ヶ月で10キロの体重・体脂肪を落とすには、食事制限を行うことが必須です。 食事制限なしでも痩せることはできますが、かなり非効率であることを知っておきましょう。 その理由を解説する前に、まずは体脂肪を落とすための前提条件をお伝えします。

体脂肪を落とすための前提条件

体脂肪を落とすためには、消費カロリーよりも摂取カロリーを抑える必要があります。 そのためには運動などによって消費カロリーをアップさせたり、食事量を制限して摂取カロリーを落としたりしなければなりません。 上記より食事制限をせずにダイエットする場合は、主に運動で消費カロリーを上げるしかないです。

食事制限なしのダイエットは非効率

食事制限をせず運動だけで体脂肪を落とすとなると、かなりの運動量が必要です。 例えば、体重70kgの人が1時間のウォーキングで消費するカロリーは、約200kcal(※)です。 一方、200kcalを食べものに置き換えると、あんぱん1個(※)に相当するカロリー。 上記を踏まえると、運動で消費されるカロリーは思ったよりも少ないですよね。 であれば、あんぱん1個を我慢した方が効率的にカロリーを抑えられるでしょう。 ※参考:Ke!san「ウォーキングの消費カロリーの計算     カロリーSlism「あんぱん

プロがすすめる2ヶ月で10キロ痩せる方法

2ヶ月で10キロ痩せるには、下記のような方法がおすすめです。
・食事制限:ケトジェニック(糖質制限)
・運動:筋トレ×有酸素運動
上記を説明する前に、2ヶ月で10キロ痩せる際の1日のカロリー消費量をお伝えします。 上記をふまえた上で、早速みていきましょう。

1日のカロリー消費量

体脂肪10キロを落とすには、2ヶ月間で約70,000kcalのエネルギーを消費する必要があります。 1日に換算すると、約1,200kcal。つまり理論上では、1日に1,200kcalを消費すれば2ヶ月後に10キロの減量ができます。 ただし人によってはかなりハードな食事制限や運動をしなければならないので、絶対に無理はしないようにしましょう。 カロリー消費量をご理解いただけたところで、次のステップでは「消費カロリー」と「摂取カロリー」をもとめます。

消費カロリーをもとめる

消費カロリーは、「基礎代謝量×活動係数」(※)で算出します。 ただし一から計算するとややこしくなってしまうので、カロリー計算ツールを使うのがおすすめです。 RE:NOW編集部でも独自にツールを開発しているので、ぜひご活用ください。
例)
・性別:男
・年齢:30歳
・身長:170cm
・体重:75kg
・活動レベル:1〜2回/週 程度の運動
・基礎代謝:約1700kcal
消費カロリー:約2300kcal
続いては、摂取カロリーをもとめます。 ※基礎代謝量:安静状態でも消費されるエネルギー量 ※活動係数:日常生活の運動レベル

摂取カロリーをもとめる

ここまでくれば、あとは簡単です。 2ヶ月で10キロ痩せるためには、1日で1,200kcalのエネルギーを消費する必要がありますよね。 つまり消費カロリーから1,200kcalを差し引けば、摂取カロリーをもとめられます。
  • 例)摂取カロリー=2,300kcal - 1,200kcal=1,100kcal
つまり、70kgの人が2ヶ月で10キロ減量するためには、1日に約1,100kcalの食事をすればOKです。 ただし、1,100kcalの食事は人によってはめちゃくちゃハード。それこそエネルギー不足で筋肉ばかり落ちてしまい、無理をした反動でリバウンドにつながります(対策は後半で解説)。 前置きが長くなりましたが、ここからは実際の食事例をご紹介しますね。

ケトジェニック(糖質制限)

ケトジェニックとは、1日の糖質摂取量を50g以下に抑えるかわりに脂質を多く摂取するダイエット法。 糖質は主要なエネルギー源なので、不足すると、身体が危機的状態を認識します。すると、糖質の代わりに体内の中性脂肪を分解して、体脂肪からエネルギーを作り出す「ケトン体」を生成。 つまり、糖質の代わりに体脂肪をエネルギー源として利用し効率的に脂肪を燃やすため、ダイエット効果が高いのです。 ただし、この状態で脂質まで不足すると、今度は筋肉を分解してたんぱく質をエネルギー源として利用するようになる。そのため、脂質はこれまで以上に摂取する必要があるというわけです。 とはいえ、実際の食事メニューのイメージがわきませんよね。そこで、ケトジェニックに最適な食事メニューをご紹介するので、参考にされてください。

ある日の食事メニュー:朝

 
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サバなどの青魚には、DHA・EPAとよばれる良質な脂質が含まれています。血液中の中性脂肪やコレステロールを下げる作用があり、ケトジェニックに限らずダイエットには効果が高いです。 さらっとした脂なので、朝食に取り入れやすい食品。

ある日の食事メニュー:昼

「ダイエット中に肩ロース!?」と思われるかもしれません。しかしケトジェニック中は、糖質を抑える代わりに脂質を多く摂取する必要があるので、脂っこいお肉でも問題ありません。 逆を言えば、鶏むね肉やささみ肉のような低脂質のお肉となると、脂質が不足してしまいます。そのようなときは、MCTオイルなどの植物油を大さじ1〜2杯くわえて脂質を補いましょう。

ある日の食事メニュー:晩

 
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刺身はたんぱく質がメインに摂れるので、ケトジェニックにぴったりです。どの魚介類を食べても問題ないですが、サーモン、ブリ、マグロ(トロ)といった脂質の高い刺身がおすすめ。 サーモンはアドカドと混ぜてサラダにすることで、脂質量を増やしつつ、ちがった味を楽しめますよ。 なお、ケトジェニックについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

筋力トレーニング

筋肉量の低下」を防ぐためには筋トレが必要不可欠です。 ダイエット中は食事制限によってエネルギーが不足しています。すると、筋肉の合成をするための栄養が足りず結果として筋肉量が低下。代謝が落ちるだけでなく、見た目にも影響するので、必ず行いましょう。 なお筋トレをやる際は、より高い負荷をかけられるウェイトトレーニングがおすすめです。多くの筋肉を鍛えられることで、消費カロリーもアップします。 各種目3〜4セット・15回ほど行いますが、1セットごとに余力は残さないことが大切です。

トレーニングメニュー1:バーベルスクワット

&t=192s バーベルスクワットは、もも前(大腿四頭筋)、もも裏(ハムストリングス)、お尻(大臀筋)など、下半身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。 バーベルをかつぐことで体幹部の筋肉も使うので、短時間で多くの筋肉を追い込めるおすすめの種目です。ポイントは以下の通り。
・上体を前に倒しすぎない(腰の負担を軽減するため)
・膝はつま先と同じ向きにする(膝の負担を軽減するため)
・しゃがんだ時はつま先の真上に膝(ハムストリング
・大臀筋を意識するため)
なお、バーベルスクワットについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

トレーニングメニュー2:ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは、もも裏(ハムストリングス)、お尻(大臀筋)に刺激が入りやすい種目です。片足のみでスクワットをするので、かなり高い負荷がかかります。 したがって、ご自宅でトレーニングをする際に有効です。ポイントは以下の通り。
・前に出す脚とベンチ台に乗せる脚の距離を広げる(ハムストリング
・大臀筋を意識するため)
・ベンチ台の脚の力は抜く(ベンチ台側の脚の負担を軽減するため)
・カカト重心(膝への負担を軽減するため)

トレーニングメニュー3:ベンチプレス

ベンチプレスは、おもに大胸筋を鍛える種目です。大胸筋は上半身の中でも大きな体積をしめる筋肉なので、負荷をかけたときのエネルギー消費量も高いです。 また、腕の裏(上腕三頭筋)や肩の前側(三角筋)も補助筋として使うため、一度に多くの筋肉を使うことができます。ポイントは以下の通りです。
・バーベルを下ろす位置は乳首あたり(肩への負担を軽減するため)
・動作中は腰を反り肩甲骨を寄せる(大胸筋を意識するため)
・肩をすくめない(肩への負担を軽減するため)

有酸素運動

有酸素運動は、消費カロリーを増やす目的で実施します。おすすめは、関節への負担が少ない「水泳」「サイクリング」「クロストレーナー」などです。 関節に負担が生じると、筋トレの動作に影響をおよぼしてしまう可能性があります。なお、長時間の有酸素運動は筋肉の分解(減少)につながりやすいので、時間は30分ほどに抑えましょう。 また、日常生活でも体を積極的に動かすような工夫をすることで、「NEAT」を高めることができます。NEATとは、わたしたちが無意識のうちに消費しているエネルギーのことです。 階段の昇り降り、家事、ゴミ出しなどを積極的に行うことで1日の消費カロリーをアップさせることができます。

痩せ方に男女の違いはある?

ダイエット後の体重・体脂肪の落ち幅は、男女で異なります。 男性は女性に比べて身長や筋肉量などを含めた基礎代謝量が高いため、ダイエットのスピードは早いです。つまり、男女で同じ量の食べ物を食べたとしても、消費カロリーが優位になりやすいので、体重・体脂肪も落ちやすい傾向があります。 また、女性はホルモンバランスの影響で、水分・脂肪を溜め込みやすいタイミングが周期的に訪れることも理由の一つ。ただ、これは体の構造の違いなので、男女間で比べる必要は全くありません。

10キロ痩せると見た目はどれくらい変わる?

体重が10キロ落ちると、顔まわりはシュッと小さくなり、ウエストヒップあたりのサイズが著しく減ります。特に顔まわりは脂肪が少ないので、フェイスラインが強調されやすい傾向があります。ほとんどの人から、痩せことに気づかれるレベルでしょう。 しかしながら、変化を感じにくい人もいます。この違いは、もともとの体脂肪率によるもの。見た目に影響する顔の輪郭骨格筋は、体脂肪で覆い被さった状態です。 体脂肪が減り、輪郭や筋肉のラインが出てくると見た目に変化が現れます。つまり、同じ10キロのダイエットでも体脂肪量が少ない人より、多い人の方が変化を感じにくいです。 なお、見た目の変化を実際の写真で見たい方は、下記の記事をご覧ください。 ・5キロから10キロ痩せると見た目は?【ビフォーアフターを解説】

2ヶ月で10キロ痩せる際の注意点

2ヶ月で10キロ痩せることは可能ですが、人によってはリスクを伴います。 一般的に2ヶ月という短期間で10キロもの体重を落とすのは、体への負担が大きいからです。 とくに下記の3つには注意しましょう。
・リバウンド
・筋肉量の減少
・ホルモンバランスの乱れ
順番に解説しますね。

リバウンド

2ヶ月で10キロの減量は、リバウンドの可能性が高くなります。なぜなら、人によってはかなり厳しく食事制限や運動をしなければならず、かえって食欲が増進したり、代謝機能が低下したりするからです。よって「2ヶ月でマイナス10キロ」のダイエットは、誰しもがやるべきではありません。 身長、体重・体脂肪率、筋肉量といった体組成は人それぞれ異なるので、適切な減量幅も個々人に応じて変える必要があります。なお、減量幅の目安は、1ヶ月に体重の4〜5%ほどが理想的です。 例)体重70kgの人:1ヶ月で−2.8kg〜4.2kg

摂取カロリーは基礎代謝以上は確保する

健康的なダイエットをするなら、摂取カロリーは必ず、基礎代謝量よりも多めに設定することが大切です。 例えば、基礎代謝量が1,700kcalの人であれば、摂取カロリーの最低ラインも1,700kcal。 2ヶ月で10キロ痩せようとすると摂取カロリーが基礎代謝量を下回ることがありますが、あまりおすすめしません。 そこまでダイエットに急いでいないのであれば、”無理せず痩せる”ことを意識しましょう。

筋肉量の減少

先ほども触れましたが、ダイエット中はエネルギーが不足する関係上、筋肉量が減少しやすいです。 とくに2ヶ月で10キロのダイエットをするとなると、食事量を過度に制限する場面も出てきます。 そうなるとエネルギー不足によって筋肉がどんどん減っていき、メリハリのない体になってしまうのです。

ホルモンバランスの乱れ

食事制限を厳しくやりすぎると、三大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質)はもとより、ビタミン・ミネラルといった微量栄養素も不足しやすくなります。 特に女性の場合、食事制限によってホルモンバランスが乱れる恐れがあり、それによって精神的に不安定になったり、体のだるさを感じたりするので無理は禁物です。 もしそのような症状があるなら、体重が維持できるくらいの摂取カロリーまで食事を戻して、体を回復させましょう

まとめ

今回は、2ヶ月で10キロ痩せる方法というテーマで解説しました。 まとめると、
・自分の「消費カロリー
・摂取カロリー」
を知る
・摂取カロリーは基礎代謝量を下回らないようにする
・筋トレは最低でも週2回(脚
・お尻
・胸のような大きな筋肉)
・有酸素運動は毎日30分
でした!無理のないよう、ダイエットを成功させましょう。